原稿 首都決戦2011 鹿児島県予選

10月15日(土)

 

ビブリオバトル首都決戦2011鹿児島予選 を開催しました。

参加者は18名(発表者6名、見学者12名)でした。紹介された本は以下の6冊です。

 

 

・片平翔太さん 『「日本男児」という生き方

 

「男とは、タフで、潔くあるべき」――。

第二次世界大戦を戦い抜いた戦争体験者は、老齢にも関わらず、背筋を伸ばして生きている。

かたや現代の若者は、電車に乗れば真っ先に席に座り、背中を丸めて携帯ゲームに夢中・・・。

この現状に疑問を覚えた作者は、「男とは何か?」をテーマに本書を書き上げました。

日本史上に勇名を轟かす日本人将兵。自衛官。企業経営者。あらゆる「男」が登場します。

 

トップバッターは今回初参加の片平さん。

一番手が決まった時は嘆いておられましたが、実に見事な、切れ味鋭いプレゼンでした。

二十歳の身空にありながら「近頃の若者は・・・」が口癖の片平さんらしい選書も魅力です。

 

 

 

 

・野村皓さん 『ももといっしょ

 

著者の宮沢厚氏は、かの有名な「パンくんとジェームズ」のチンパンジー・パンくんのトレーナー。

本書は、宮沢氏の少年時代から、日本一有名なアニマルトレーナーになるまでに出会った様々な動物との物語を綴った本です。

宮沢氏は、パンくんと出会うまでに2頭のチンパンジーと1頭のオランウータンのトレーナーを経験しました。

宮沢氏が彼らから得たものとは。感動の一冊です。

 

7月16日のビブリオバトル体験版に『生徒会長の一存』で出場してくれた野村さん。

前回よりずっと堂々としたプレゼンテーションを見せてくださいました。

時間の使い方も前回よりうまくなっているのがわかります。今後もよろしくお願いします。

 

 

 

 

・野間和奏さん 『女子の国はいつも内戦

 

「女子」。

小学校から高校までの間、女性はそう呼ばれます。

女子は「クラス」という40人に満たない小国の中で、日々泥沼の覇権争いを繰り広げているのです。

修学旅行の班決め。男子はじゃんけんでさっさと決めるのに、女子には泣き出す子も――。

私の好きな○○くんは○○ちゃんが好き。○○ちゃんが許せない。明日から無視しよう――。

 

男性の皆さんは、女子がそんな戦いを繰り広げていたのかと驚愕するでしょう。

女性の皆さんは、女子だった頃を思い出し、清々しい思い出や苦い記憶が蘇るでしょう。

人間関係に悩む女子。女子の気持ちが知りたい男子。学級運営に悩む先生必携です。

 

ビブリオバトル体験版で紹介した『匂いをかがれるかぐや姫』がチャンプ本を獲得した野間さん。

図書館サポーター長として日頃から選書し慣れているだけはあり、今回も抜群の選書センスを発揮され、見事『女子の国はいつも内戦チャンプ本となりました。おめでとうございます。

 

 

 

 

・源川みつきさん 『古代史はどうして謎めくのか

 

歴史作家で、古代史に造詣の深い関祐二氏の名著。

「日本書紀は、天武天皇が編纂させた彼にとって都合のいい歴史書である」というのが、昨今の通説でした。

しかし関氏は、その通説が思い込みを生み、古代史をより謎めいたものにしてしまっていると説きます。

天武天皇にとってではなく、「天武天皇没後の政権」にとって都合のいい歴史書であるとしたら――。

たった一つの発想の転換により、古代史の謎がみるみる明快になっていきます。

 

ビブリオバトル体験版を観戦してくださった源川さん。今回は勇気を出して発表して頂きました。

古代史という万人受けしづらいジャンルを、分かりやすい表現でプレゼンする技術は圧巻でした。

 

 

 

 

・山口飛雄馬さん 『坂の上の雲』

 

「日本が近代国家へと歩み始めた明治時代。伊予国・松山に3人の男がいた。後に参謀として日本海海戦の勝利に貢献する秋山真之、その兄で日本騎兵の父となる好古、俳句・短歌の中興の祖となった正岡子規。彼らはただ前の実を見つめ、明治と言う時代の坂を上ってゆく。」(wikipediaより)

 

 

つい先日まで、大河ドラマの合間を縫うようにドラマ版が放映されていた「坂の上の雲」。

今回紹介された本の中で最もメジャーな作品ではなかったかと思います。

山口さんのプレゼンは非常に巧みで、「勉強ってかっこいい」「焼海苔くらいの図書券」など、

いつまでも耳に残るようなフレーズを選ぶ技術が参加者の中でもずば抜けていました。

 

 

 

 

・神之田拓也さん 『すべてがFになる』

 

密室から飛び出した死体。究極の謎解きミステリィ。
コンピュータに残されたメッセージに挑む犀川助教授とお嬢様学生・萌絵。
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、

この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。(amazon/著者紹介より)

 

予選会場に到着するまで発表か観戦かで悩んでおられたので、「ぜひご出場を」と

運営側が背中を押す形で発表して頂いた神之田さん。

緊張しながらも堂々と発表してくださいました。今後の大会へのご参加をお待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

今回は、当初の予想を大幅に上回る

12人もの方が会場に足を運んでくださいました。

 

中には鹿児島大学の図書館職員の方や、

紀伊国屋書店鹿児島営業所の方もおられます。

今後の広がりに大きな期待を感じた一日でした。

 

 

 

 

 

 

すべてのプレゼンが終わった所でふと思いつき、休憩も兼ねて参加者が自由に行動できる時間を設けてみました。

 

皆さん思い思いに、興味のある本の持ち主に声をかけています。

 

 

 

 

 

 

チャンプ本を紹介した野間和奏(のまわかな)さん。

鹿児島国際大学の図書館サポーター長を勤める彼女は、日頃から選書(図書館に納める本の選出作業)慣れしているからか、毎回素晴らしい本を持ってきてくれます。

 

首都決戦でのご活躍をお祈りします。

 

 

 

 

 

当初予定していた時間より早めに終わったため会場を閉めずにいると、いつの間にか懇親会のようなものが始まっていました。

 

書店職員、小学校教師、事務、大学生…日頃は接点のない人同士の会話が弾みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回発表された本達です。

(坂の上の雲が写っていませんね。山口さん申し訳ありません)

 

左上:「日本男児」という生き方

左下:ももといっしょ

中央:女子の国はいつも内戦

右下:古代史はどうして謎めくのか

右上;すべてがFになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェンダー論、ノンフィクション、児童心理学、古代史、歴史小説、ミステリー。

これまでこの六者が一度に争える土俵があったでしょうか。

ビブリオバトルという競技の懐の広さに驚くばかりです。

 

「ビブリオバトルかごしま」を立ち上げてから初めてのビブリオバトル開催でしたが、

鹿児島県でもビブリオバトルは広げられる!という自信を得た一日でした。

 

 

ビブリオバトル首都決戦2011 鹿児島県予選の動画はコチラ

 

文章:ビブリオバトルかごしま 元野 明

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コメント: 2
  • #1

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